ホンダ自動車の歴史と軌跡 世界初のものづくりから未来への挑戦まで
2024/08/04
ホンダ自動車は、世界初のスーパーカブをはじめとする数々の革新的な製品を開発してきた、世界でも有数の自動車メーカーです。創業者本田宗一郎が世界に誇れるものづくりを目指し、自らも工場に立ち、徹底した現場主義を貫いたことが、同社の成功の鍵となったでしょう。この記事では、ホンダ自動車が過去にどのような歴史を紡いできたか、そして現在、未来に向けてどのようなチャレンジをしているかを詳しく探っていきます。
目次
ホンダの創業者 本田宗一郎
ホンダの創業者である本田宗一郎は、1906年に静岡県で生まれました。本田宗一郎は、子供の頃から自動車や飛行機に強い関心を持ち、高等小学校卒業後には東京の自動車修理工場「アート商会」に入社し、自動車修理の経験を積みました。
本田宗一郎はアート商会で人一倍努力した結果、アート商会の主人である榊原郁三氏から、浜松支社を設立して独立することが認められました。
その後、本田宗一郎はエンジンの部品の一つである「ピストンリング」の製造ビジネスをしようと試みましたが、学問的な壁に阻まれたことで、浜松高等工業(現在の静岡大学工学部)の講義を聴講するなど、研究に勤しみました。
研究への情熱が実を結び、本田宗一郎は自身が創業した「東海精機重工業株式会社」(現在の東海精機株式会社)でピストンリングの製造を行いましたが、時代は太平洋戦争に突入したことで、本田宗一郎を取り巻く環境も悪化していきました。
工場職員が戦争に徴兵されたほか、度重なる空襲で東海精機重工業山下工場も破壊されました。決定的だったことは、1945年1月の南海大地震によって磐田工場が倒壊したことです。
製造業を続けることが難しくなったことを悟った本田宗一郎は、東海精機重工業の経営から手を引き、1年間の「人間休業」(休養)に入りました。
マイカー普及の火付け役となったS500
S500は、マイカー普及の火付け役と言われている世界初の量産車のひとつです。
T360の後に発売された4輪車が、S500です。
前述したホンダ S360は結局発売が断念されたのですが、S500はS360に大きな車体とパワフルなエンジンが与えられたスポーツカーとして発売されました。
ホンダ S500は、バイクで培われた技術が注ぎ込まれた精密なエンジンが特徴の小型スポーツカーとして、人気を博しました。
CVCCエンジンの開発
F1への挑戦が一区切りした頃、世間では大気汚染が深刻な問題として話題となっていました。
そして自動車文化が進んでいたアメリカでは、一酸化炭素・炭化水素・窒素酸化物を従来の10分の1にすることを定める「マスキー法」が制定されるなど、自動車の環境性能に対する世界的な関心が高くなった時期でもありました。
こうした世論を受け、ホンダは世界で初めてマスキー法をクリアしたエンジン「CVCCエンジン」を開発し、アメリカで高い評価を受けました。
当時、マスキー法をクリアする技術を持ったメーカーはほとんどなく、トヨタ・フォード・クライスラーなどのメーカーにCVCCエンジンの技術供与が行われました。
ここまで、高出力エンジンの開発に力を注いできたホンダでしたが、CVCCエンジンという低公害なエンジンの開発によって、世界に通用する自動車メーカーという地位を確固たるものにしました。
CVCCエンジンが初めて搭載されたのがシビックです。
オートバイの販売店でも扱えるほど小さいボディで広い室内空間を実現した小型車であり、かつ高い環境性能を誇る当時のエコカーとして、世界中で人気を博しました。
また、ボディタイプもセダンやハッチバック、ライトバンなど複数種類から選ぶことができるなど、幅広いユーザーが満足できる車となっていました。
初代シビックは1972年から1979年まで販売されましたが、その後も北米・欧州などでグローバルに販売されるホンダの看板車種としての地位を築いています。
世界初の量産ハイブリッド車「インサイト」
1999年に発売されたインサイトは、日本自動車メーカーのホンダが世界初の量産ハイブリッド車として開発した車種です。ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせ、燃費を劇的に改善したことで、世界中で注目を浴びました。また、軽量ボディやスポーティなデザインも特徴的で、低燃費と高性能を両立した画期的な車として評価されています。日本だけでなく、欧米でも人気が高かったインサイトは、ハイブリッド車の先駆けとして、環境に配慮した自動車を求める人たちにとって革新的な存在となっています。今やハイブリッド車は一般的になり、進化を続けていますが、ホンダのインサイトが世界初の量産ハイブリッド車であるという事実は忘れることのできない歴史的な出来事です。
未来への挑戦!電気自動車「クラリティ」の登場
未来への挑戦!電気自動車クラリティの登場というタイトルの下、自動車業界における電気自動車の先駆けとして、Hondaから新しい車種クラリティが登場しました。環境問題が深刻化する現代社会において、クラリティは完全電気自動車として、ゼロエミッション、ゼロ汚染、ゼロ騒音を実現し、地球環境に貢献します。さらに、同時に、非常に快適な乗り心地と高度な安全性を誇ります。 クラリティは、エクステリアの美しさから室内空間の広さ、操作性の良さ、高速道路での快適なドライブなど、ユーザー目線で制作されています。また、長距離移動においても、充電時間を減らすための充電システムなど、様々な工夫がされています。さらに、Hondaは、クラリティを購入する人々に、充電インフラ構築支援を行うとしています。 クラリティを取り入れることにより、環境に優しく快適なドライブが可能になり、地球環境保護に貢献することができます。未来のクルマに必要な、良いデザイン、環境に優しい走行システム、そして個人のニーズに合った快適性があるクルマがクラリティです。
次世代技術「Honda Sensing」の開発と普及
ホンダは、自動車業界において、次世代技術Honda Sensingの開発と普及に注力しています。この技術は、車両に搭載されるセンサーやカメラなどを活用し、運転者の安全を確保することを目的としています。具体的には、車線維持アシスト、衝突軽減ブレーキ、クルーズコントロールなどが含まれます。現在、Honda Sensingは、新車の装備として採用されており、今後はさらに普及を進める予定です。ホンダは、この技術の開発と普及を通じて、社会の安全性向上に貢献することを目指しています。